眼科一般/小児眼科一般
白内障
白内障とは?
眼球はよくカメラに例えられますが、カメラのレンズと同様の働きをしているのが水晶体です。
この水晶体は凸レンズのような形状をしており、透明な組織でタンパク質と水分によって構成されております。
正常な水晶体は透明で光をよく通しますが、何らかの原因によって水晶体の中身が濁ることがあり、その症状が「白内障」と呼ばれる疾病です。
水晶体が濁ってしまうと、光の通過がうまくいかなくなったり、乱反射してしまい、鮮明な像を認識できなくなり、結果視力の低下へと繋がります。
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- 眼球の構造
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- 正常な水晶体
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水晶体が光を通し、像として認識される
- 白内障の眼球
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水晶体が濁っていると光の通りが悪くなり、ぼやけたりした像となる
白内障の主な症状
目の中の水晶体は人によって濁り方が違う為、白内障の症状はさまざまです。
主訴の多くは「目がかすむ」といったものですが、右記のような症状がある場合、白内障の疑いがあります。
- 1. 物がかすんで見える
- 2. 光が眩しく感じる、明るい所では物が見づらい
- 3. 一時的に近い物が見えやすくなった、メガネが合わなくなった
- 4. 物が2重、3重に見えてしまう
白内障の原因
白内障は様々な原因で起りますが、最も多いのは加齢によるものです。これを「加齢性白内障」と呼んでいます。
個人差がありますが、誰でも年をとるにつれて、水晶体は濁ってきます。加齢性白内障は一種の老化現象ですから高年齢の人ほど多く発症します。
また、糖尿病などの合併症として、若い人の発症も増えています。 目の怪我や薬剤の副作用から白内障を起こす場合もあります。
治療法
治療法は点眼薬や内服薬などで、症状の進行を遅らせる方法がありますが、濁るスピードを遅らせる効果のみで、症状の根本改善はできません。
症状が進行してしまい、日常生活に支障をきたすようであれば当院では手術での治療を勧めております。
当院での手術は、点眼麻酔かテノン襄下麻酔にて小切開法による超音波白内障切除を行っており、折りたたみのできる眼内レンズを挿入し終了となります。
その為日帰り手術が可能となり、ほとんど全ての方に行っております。この手術は近年急速に進歩し、安全かつ短時間に受けられる様になりましたが、手術である以上、進行度により時間を要したり、合併症が稀に有り得る事も頭の隅にいれておいて下さい。
緑内障
緑内障とは?
その人の目が耐え得る以上の眼圧によって、視神経が障害され、視野が欠けてくる病気です。
ほとんど自覚症状がなく、検査によってはじめて緑内障が診断されます。
緑内障には色々なタイプがありますが、一番多い慢性型は、生涯にわたり治療を必要とします。
- 眼圧上昇による緑内障
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房水はシュレム菅から排出されます。何らかの原因により出口が塞がることで眼圧がゆっくりと上昇していきます。
緑内障の主な症状
緑内障とは視神経の障害によって視野が少しづつ狭まる病気ですが、進行が非常にゆっくりなため、異常を感じることはほとんどありません。
しかし急性の緑内障の場合、急激に眼圧が上昇した結果、目の痛みや頭痛、吐き気といった症状を引き起こします。
緑内障は発症から時間が経ってしまうほど治りにくくなりますので、このような自覚症状がでた場合は出来るだけ早く眼科へ受診・治療をおこなう事が必要となります。
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- 進行初期
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目の中心からやや外れた部分に見えない部分ができます。
異常の無い片方の目からの情報により脳が補正するため、視野の異常に気づく事はありません。
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- 進行中期
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見えない部分がさらに広がり始めます。
進行中期でも脳の補正により、視野の異常に気づけない事が多いです。
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- 進行末期
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視野のほとんどが暗点してしまい日常生活に支障をきたす恐れがあります。この段階で多くの方が異常に気づくようになります。
進行初期・中期の段階で緑内障の症状に気づく事は難しく、視野の異常に気づいた時にはすでに進行が進んでしまっているケースも少なくありません。また一度障害されてしまった視神経を元に戻す治療法が無いため、視力を元に戻す事はできません。このため、早期発見・早期治療により緑内障の進行をくい止める事が重要となります。
緑内障の検査について
眼圧に異常の見られない方も多く、現在の眼の状態を様々な検査を通して把握しておくことが大切です。
緑内障の症状が進行してしまい失ってしまった眼の機能を元に戻す治療法はありません。
ほとんどの場合、症状の進行がゆっくりとしている為、緑内障に気づいた頃にはかなり悪化しているというケースが多いです。
40代を迎えらた方は、定期的に検査をうけ、早期発見・早期治療をおこなう事で、緑内障を発症していても、長期間日常生活に支障がない視力を保つことができます。
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- 眼圧検査
- 眼球の圧力がどの程度に保たれているか
眼圧計を用いて測ります。
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- 眼底検査
- 検眼鏡や眼底カメラを用いて、
目の内部を観察・撮影します。
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- 視野検査
- 見える範囲を調べます。
緑内障の治療
視神経の障害は眼圧を下げることにより予防することが出来ます。
緑内障治療の効果は自分では確認できませんが、視野の欠損がさらに進行することを防ぎます。
- ○薬物療法
- 眼圧を下げるためには、房水と呼ばれる目の内部を流れている液体の産生の抑制、循環機能をよくする効果のある目薬を点眼します。期待した効果が見られない際は内服薬を使うこともあります。
- ○レーザー治療
- レーザーを虹彩に当て房水の流れ出る出口を開け、眼圧を下げる処置を施します。痛みも無く日帰りで治療をおこなうことが可能です。
- ○外科手術
- 点眼治療やレーザー治療が難しい場合は手術をおこないます。房水の流れを妨げている原因を切開し流れをよくする手術や、房水の産生を抑える手術などがあります。
VDT症候群
VDT症候群とは?
“VDT”とは Visual Display Terminal の略称であり、コンピューターを使用する為の表示装置のことを指します。VDT症候群とは、コンピューターやワープロ、テレビゲームなどを使ったディスプレイ作業を、長時間続けた際に起こる視覚障害のことで、別名テクノストレス眼症とも呼ばれます。

VDT症候群の症状
目が疲れる、乾く、痛む、充血するなど。
これらの症状に加えて結膜炎や角膜炎、ドライアイなども引き起こす他、全身症状として体のだるさや痛み、しびれ、吐き気まで起こすこともあります。
VDT症候群の原因
VDT作業では長時間同じ姿勢になるため、首や肩などの筋肉が緊張する上、視線の移動も多い為、通常の文字を読み書きする作業よりも疲労が起こりやすくなるのです。
- 子供の場合
- お子様の場合、長時間テレビゲームで遊んでいると近視になる危険性が高いと言われています。
お子様の目を守る為、1時間以上ゲームで遊ぶことは避けましょう。
戸外で元気に遊べば体の緊張もほぐれて目の症状をやわらげることができます。
栄養バランスのとれた食事を心がけることも大切です。

対策法
まず、長時間の作業は避け、1時間に10分程度の休憩を取るようにしましょう。
部屋の明るさも十分にとり、作業中に正しい姿勢を心がけます。
画面には反射をさえぎるフィルターを貼るようにし、メガネやコンタクトは度の合ったものを使用するようにしましょう。
それでも異常を感じたときには早目に専門医に相談することが肝心です。
- 理想的な作業スタイル
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花粉症などのアレルギー性疾患
アレルギー性結膜炎とは
アレルギー性結膜炎とは、目の表面にハウスダストや花粉など何らかのアレルゲンが付着しておこる結膜炎の総称です。
アレルギー性結膜炎は、季節性アレルギー性結膜炎と通年性アレルギー性結膜炎の二つがあり。季節性は花粉症のようにある季節だけ目が痒くなり、通年性はダニやハウスダスト、金属や薬品が原因で一年中アレルギー反応が出てしまいます。

アレルギー性結膜炎の治療
目のかゆみの原因となるヒスタミンという物質を出にくくする抗アレルギー点眼薬や抗アレルギー薬などを使用して治療をおこなう事が可能です。
花粉症のように毎年起こるのであれば、抗アレルギー点眼薬などを、症状がでると予想される時期の数週間前から開始すると効果的です。
弱視・斜視
小児眼科について
小児眼科は大人のかかる眼科と違い、成長途中の目に対し治療をおこない大きくなってからの異常を無くすという観点が加わります。
小さいお子様の場合、日々のしっかりとした視力のトレーニングや治療を行なわずに目が成長しきってしまうと、その状態からの視力の向上はあまり期待できません。
その為にも、不調や異常に気づいたら一度眼科へ受診される事をお勧めします。

このような様子が見られたら
眼科へ受診を
- 目を触ったり、こすったりしていることが多い
- ものを見るとき、眉を寄せたり、目を細めたりする
- テレビや本などを見る時、距離が近い
- 首を傾けたりして斜めに物を見ている
- 片方の目を隠すと嫌がる
- 昼間の屋外では眩しそうにしている
弱視・斜視とは?
物などを見る時は両眼が物の方向に自然と動くのですが、斜視の場合、この両目の動きが上手く行かず、右と左で同じ方向を見ていない状態を言います。
お子様の2%くらいに見られる病気です。早期に治療を開始しないと、別の疾病の原因(弱視や複視)の原因になります。
弱視とは、視力が弱い事ではありません。視力の発達に大切な時期に、何らかの原因により脳の見ることをつかさどる部分に障害が生じてしまい、視力がしっかりと成長しきれていない状態を弱視といいます。
メガネ・コンタクトレンズ処方
ご自身に合った適切な矯正を
当院では、患者様おひとりおひとりに合ったメガネ・コンタクトレンズの処方を行っております。
視力の低下には近視や遠視、加齢によるものもありますが、白内障や緑内障といった疾病が原因となっておこる視力障害の可能性も考えられる為、視力の低下を感じた際は一度眼科へ受診しましょう。

コンタクトレンズ処方について
コンタクトレンズは、副作用などもしもの時に人体へのリスクが高い高度管理医療機器となります。
コンタクトレンズ購入の際は、
必ず眼科で検査・診察行いましょう。
また、当院と併設のコンタクトレンズ専門店がございますので、コンタクトレンズが初めての方も
安心してコンタクトデビューをする事ができます。
網膜硝子体手術(ビトレクトミー)
網膜硝子体とは?
硝子体(しょうしたい)は眼球の内部の大部分を満たしている無色透明のゼリー状のもので99%が水です。
硝子体は水晶体の後ろに接し、眼球の奥では一部で網膜とくっ付いていますが、ほとんどは軽く網膜と接しているだけです。
役割は、眼球の形を保つと同時に、入ってくる光を屈折させます。
網膜硝子体が病変した時の症状
目の前に小さなごみのようなものが飛んでいるように見えたり、イナズマのようなものが見えるようになったりします。
また日常生活を送る中で、よく物にぶつかるようになる、視野が狭くなったと感じる、視野の真ん中が黒っぽくなる、物が歪んで見えるなど、様々な症状が起きることがあります。